飲むおだしの「ドリップ」、その起源をたどってみました。

みなさん、こんにちは。 雅結寿の阿部です。いつもご愛顧いただき、ありがとうございます。
飲むおだしに採用しているドリップ方式。じつはドリップコーヒーからヒントをもらって商品化したものです。

私が初めて出会ったドリップもコーヒーでした。でも先日ふと、「そもそもドリップの起源って、なに?」と気になってしまって。今日はそのお話を少しさせてください。

最初のコーヒーは「煮出すもの」だった

ドリップが生まれる前、コーヒーはイブリクという小さなポットで煮出す、いわゆるトルコ式が主流だったそうです。ただこの方法だと、粉が沈むまで待たなければいけないし、最後の一口はどうしてもザラッとしてしまう。

そこでやがて、挽いた豆を麻袋に入れて煮出すようになり、その袋がだんだん小さく、布になり……と進化したのが、布で濾す「ネルドリップ」。ちなみにドリップの発祥はフランスで、1763年のことと言われています。

イブリクイメージ画像

紙のフィルターの誕生はなんと、ドイツに住む一人の主婦の発想だった

紙のフィルターが登場するのは、それからずっと後の1908年。
ドイツに住む一人の主婦が考えたものでした。

当時の家庭では布や金網で濾すのが当たり前で、手間はかかるし、衛生面も気になるし、粉もカップに入ってしまう。「もっと手軽においしいコーヒーを家族に飲ませてあげたい」と考えた彼女は、息子のノートの紙を破って折り、真鍮の缶に穴を開けてコーヒーを濾してみたそうです。

これが世界初のペーパードリップ。1908年、ドイツ特許商標庁に出願したコーヒーフィルターの特許が認められ、彼女はそのまま起業します。 その会社は、今や世界中で知られるメリタ社だったのです!!!

当時は自宅が工場で、登記簿に記された資本金はわずか73ペニヒ。今の日本円にすると、なんと数千円ほどだそうです。社員はご主人と息子さん2人だけ。
今の世界的な企業も、最初の一歩はこんなにも小さなスモールスタートだったのかと知って、なんだか勇気をいただきました。

メリタさんイメージ画像

1908年は、なんと池田菊苗博士が昆布から「うま味」を発見した年と同じだった

ドイツで生まれたコーヒーフィルターと、日本で見つかったうま味。同じ年に生まれたふたつが、100年以上の時を経て「飲むおだし」というかたちで出会ったと思うと、なんだか不思議なご縁を感じずにはいられません。

うま味(グルタミン酸)イメージ画像

思いは、ちゃんと繋がっていく

歴史をたどってみると、先人たちの「もっとおいしく」「もっと手軽に」という思いが、今も連綿と繋がっているのだなと感じます。
メリタさんが生んだ紙のフィルターは、やがて日本にもやってきました。

1959年、日本で「一杯ずつ淹れられる紙のドリッパー」が誕生。その後、ネルに近い味を紙で再現する円すい形のドリッパーが開発されます。
その後、1990年代にフィルターと一杯分の粉をセットにして、カップに引っかけてお湯を注ぐだけの「ドリップバッグ」が生まれました。
相手のために一杯ずつ丁寧に淹れる、という日本らしい心づかいから生まれたかたちだと言われています。ドイツで生まれた紙のフィルターは、日本で「一杯ずつ」「手軽に」と磨かれ、世界へ戻っていった。
日本のこころと技術力を感じるエピソードです。

ドリップの歴史 イメージ画像

食を通じて、世界の人たちとつながりたい

コーヒーが国境を越えて愛されているように、日本のおだしを通じて、世界の人たちに心の豊かさと癒しをお届けできる日を願って。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。